インナービューティーを目指して、カラダの内側から美しくなろう!
カラダの内側から美しくなるために必要な栄養素を毎月厳選して解説する、コラム「インナービューティー栄養素辞典」。第6回は「食物繊維」。おなかの調子を整えて、腸をキレイにしてくれる成分です。
食物繊維とは?
野菜、果物、きのこ……秋には美味しい味覚がたくさんありますが、これらに多く含まれるのが「食物繊維」。人の消化酵素では消化されない食品中の成分を、総称として食物繊維と呼びます。
昔は、エネルギーにならない「食べ物のカス」とされ、役に立たない成分だと思われていました。しかし近年では研究が進み、身体に大切な役割があることが判明したため、積極的な摂取が推奨されるようになりました。
「おなかの調子を整える」と言われることが多いように、便秘を防いだり、生活習慣病予防に役立つ成分です。コレステロール値を下げるなど、ダイエットにも効果的として注目されています。
食物繊維の働き
食物繊維には大きく分けて2つの種類があり、それぞれ違った働きがあります。
水溶性食物繊維
水に溶けやすい性質の食物繊維のことを指します。水に溶けるとゼリー状になり、栄養素の吸収速度を緩やかにして、食後に血糖値が急上昇することを抑えます。
また、コレステロールを吸着し体外に排出してコレステロール値を抑えたり、ナトリウムを排出して高血圧を予防したりする働きもあります。
生活習慣病予防にとても有効な成分です。
不溶性食物繊維
水に溶けにくい性質の食物繊維のことを指します。水分を吸収して便のかさを増やしたり、腸を刺激して蠕動運動を活発にするなど、便通をよくする働きがあります。
ただし、不溶性食物繊維ばかりを摂ると固まった便が増えて便秘が悪化する恐れがありますので、水溶性と不溶性をバランスよく摂ることが大事です。
また、有害物質を吸着して排出させ、大腸がんを予防する効果も期待されています。
1日あたりの推奨摂取量は?
食物繊維の1日当たりの推奨摂取量は、18~69歳の女性が18g以上、男性が20g以上です。近年では食事の欧米化に伴い摂取量が減少傾向で、多くの日本人は不足していると言われています。
1日24g以上の摂取で心筋梗塞での死亡率が低下すると言われていますので、推奨量よりも多く摂るよう心掛けるといいでしょう。
サプリメントの乱用などを除いて、普通の食生活で摂りすぎになることはほぼありません。
多く含まれる食材
水溶性食物繊維は野菜や熟した果物、芋類などに多く含まれています。ごぼう、納豆、海苔、アボカド、らっきょう、さつまいも、干しプルーンなどが代表的です。
不溶性食物繊維は穀類、豆類、野菜、きのこなどに多く含まれます。インゲン豆、おから、干ししいたけ、きくらげ、切り干し大根、こんにゃくなど。こんにゃくは、こんにゃくいもの段階では水溶性ですが、製造過程で不溶性に変化します。