インナービューティーを目指して、カラダの内側から美しくなろう!
カラダの内側から美しくなるために必要な栄養素を毎月厳選して解説する、コラム「インナービューティー栄養素辞典」。第10回は「ポリフェノール」。植物由来の抗酸化物質です。
ポリフェノールとは?
今年もバレンタインではたくさんの豪華なチョコレートが店頭に並んでいましたね。カロリーが気になりつつも、ついつい食べたくなってしまうチョコレートですが、実は美容に効果的な成分が含まれていることはご存知ですか?
その成分は「ポリフェノール」。植物の色素や苦味の成分の総称で、5,000種類以上が存在していると言われています。
ポリフェノールが注目されるようになったきっかけは1992年。「フランス人は乳脂肪や肉を多く摂取するにも関わらず、心臓病での死亡率が低い」という不思議な現象“フレンチパラドックス”に対して、赤ワインに豊富に含まれるポリフェノールの働きによるものとした論文が発表されたことによります。
食品により様々なポリフェノールが含まれていますので、代表的な種類とそれぞれの働きを学んでいきましょう。
ポリフェノールの働き
数あるポリフェノールの中から、特に代表的なものをご紹介します。
カテキン
お茶の苦渋味成分のもとになるポリフェノールです。主な働きとして抗酸化作用、血圧上昇抑制作用、コレステロール・血糖上昇抑制作用などがあると言われています。
体脂肪を減らそうと、高濃度茶カテキン入りのお茶を買ったことのある方も多いのではないしょうか。茶葉のほか、カカオや大豆にも多く含まれます。
アントシアニン
花や果実の色素成分のもとになるポリフェノールです。バタフライピーにレモンを入れると色が美しく変化しますが、これはお茶に含まれるアントシアニンがph(ペーハー)によって赤や紫、青など様々な色調に変化するためです。
抗酸化作用のほか、眼精疲労など目の健康への効果についても研究が進められています。ブドウの皮やブルーベリー、紫いもなど、主に赤紫色の植物に多く含まれています。
イソフラボン
大豆や葛などのマメ科の植物に多く含まれるポリフェノールです。体内で女性ホルモン「エストロゲン」と似た作用をする「エクオール」という物質に変化して、更年期障害や骨粗しょう症の予防に役立つと言われています。
ただしこの作用はエクオールを産生する腸内細菌を持っている人だけに起きるため、気になる方は医療機関や検査キットで調べてみましょう。
クロロゲン酸
コーヒー豆に多く含まれるポリフェノールです。コーヒーと言えばカフェインですが、実はカフェインよりもクロロゲン酸の方が多く含まれています。
抗酸化作用、血糖上昇抑制作用などがあるといわれ、糖尿病予防にも効果が期待されています。
これらの他にも、ルチン、クルクミン、プロアントシアニジンなど様々な種類が存在します。
1日あたりの必要摂取量は?
ポリフェノールの摂取量の基準値は定められていませんが、水溶性のため摂取してから短時間で作用する反面、3~4時間ほどで消えてしまうため、こまめに摂取することがおすすめです。
コーヒーやお茶から摂取しやすいため、仕事や家事の合間に、ティータイムを挟んで休憩するといいでしょう。
多く含まれる食材
ポリフェノールの種類によって豊富に含まれる食材は様々ですが、日本人はコーヒー(クロロゲン酸)の摂取が最も多いと言われています。
緑茶や紅茶、ココアにも含まれていますので、好みのドリンクを飲むようにするといいでしょう。
お酒を飲む人は、食後に赤ワインをグラスで1、2杯ほど飲むのもおすすめです。ブドウは皮や種にポリフェノールが多く含まれているため、ブドウを丸ごと発酵させて作る赤ワインが白ワインよりも効果的と言われています。