台北ファッションウィーク AW26開幕 台湾副総統が来場、日台協業にも注目

台湾・文化部が主催し、台湾デザイン研究院が企画・運営する「台北ファッションウィーク AW26」が3月26日、台北市の松山文創園区で開幕した。2018年の開始以来、継続的に規模を拡大してきた同イベントは、今季を「転換元年」と位置づけ、ショー中心の構成から、ブランドと産業、流通、市場を結ぶプラットフォーム機能の強化を打ち出している。

開幕日に開催された交流レセプションは「回帰商務與專業交流(ビジネスと専門交流への回帰)」をテーマに、いわゆる「軽い社交(ライトソーシャル)」形式で実施された。会場にはブランド、バイヤー、メディア、関連企業など約200名が参加し、リラックスした雰囲気の中で商談や情報交換が行われた。主催者は、創造性と産業をつなぐ接点を増やすことで、次のビジネス機会を創出することを目指しているとしている。

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今季は国際市場との接続をさらに強化し、10か国から26名のバイヤーが来台。日本からは伊勢丹、阪急、高島屋のほか、JUNグループ、URBAN RESEARCHなど小売関係者が参加した。欧州からはフランスの百貨店プランタンやセレクトショップMargreeth Olsthoorn、Henrik Vibskov、VOO、東南アジアからはBEVC、Flânerie、This Is For Himなどが参加し、台湾ブランドへの関心の広がりが示された。また、日本、韓国、ベトナム、タイなどのファッションメディアも招かれ、アジア地域における発信力強化も図られている。

本シーズンにはC JEAN、BOB Jian、JUST IN XX、Daniel Wong、TANGTSUNGCHIEN、WANGLILING、#DAMURなど計12ブランドが参加。発表形式は従来のランウェイに加え、プレゼンテーション形式や関連イベントも導入され、ブランドの発展段階や市場戦略に応じた発信方法が選択できる構成となった。3月29日まで各ブランドが順次発表を行うほか、一部ブランドは5月にかけて展覧会やワークショップ、トークイベントなどを展開し、時装週の枠を越えた活動へと広げている。

C JEANのショーには台湾の副総統が来場し、自身のSNSで同ブランドとの関係に触れた。就任当初、外交行事用の衣装制作を依頼した経験に言及し、「上品で長く着用できるデザインが重要な場面に寄り添ってきた」と評価。また今回のコレクションについて、京都の染色工房「京都染元しょうび苑 SHOBIEN KYOTO」との協働により、約1200年の歴史を持つ臈纈染(ろうけつぞめ)の技術を現代の服飾表現へと展開している点に触れ、「衣服がランウェイ上の作品にとどまらず、伝統技術と産業をつなぐ文化的媒体となっている」とコメントした。

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台湾側は現在、世界のファッション産業が再編の局面にあることを背景に、独自の競争力の構築を目指している。特に、機能性素材に強みを持つ台湾の繊維産業とデザイナーの創造性を組み合わせた「微訂製(マイクロ・カスタマイズ)」の考え方を重視している点が特徴だ。大量生産と完全オーダーメイドの中間に位置する柔軟な生産体制は、消費者ニーズの多様化に対応するモデルとして注目されている。また、サステナビリティや快適性を重視する国際的な潮流とも親和性が高いとされる。

一般来場者向け企画としては、松山文創園区3号倉庫で初開催となる「Editor's Pick 風格市集」が行われている。18ブランドが参加し、ファッション、アクセサリー、生活雑貨など幅広い分野の商品を紹介。展示空間は市集(マーケット)、ショールーム、インスタレーションを組み合わせた構成となっており、従来のランウェイ鑑賞型イベントから、デザインを日常生活の中で体験・購入できる場へと拡張している。

会場では企画ユニットEVERYDAY OBJECTのキュレーションにより、参加ブランドが台湾の寝具ブランド「眠豆腐」のスツールを素材に再解釈した作品も展示され、生活領域へ広がる台湾デザインの方向性を提示した。来場者はライブ配信されるショーを観覧しながら、商品や空間を体験できる構成となっている。

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台北ファッションウィーク AW26ではブランド主体の構成へ再整理するとともに、国際市場との接点創出、異分野連携、消費者接点の拡大を同時に進めることで、台湾ファッション産業の持続的な成長を目指している。素材開発力とテクノロジー活用力を背景とした台湾ブランドの今後の展開が注目される。

【台北ファッションウィーク】

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