「夫婦のあいだで、性生活は今どのような状態にあるのか」
1.はじめに
既婚者マッチングアプリ「Healmate(ヒールメイト)」を運営するレゾンデートル株式会社;https://raisondetre-inc.co.jp/(東京都渋谷区)による『セックスレス“じゃない”夫婦の実態調査』の予備調査です。インターネット上で一般の既婚男女4,827人から回答を得ました。
夫婦関係において、性生活は重要な要素の一つでありながら、日常的に語られる機会は多くありません。
回数や頻度については個人差が大きく、他人と比較することも難しいため、自分たちの状態が一般的なのかどうか分からないまま、違和感だけを抱えている夫婦も少なくないと考えられます。
今回は、“セックスレスじゃない”既婚者を抽出するための予備調査として、一般の既婚者を対象に、性生活の頻度、配偶者への愛情、夫婦仲について実態を確認しました。
性生活において今どのような状態の夫婦がどれくらいいるのかを整理し、その分布をもとに考察を行います。
なお、本記事では「セックスレス」という言葉について、日本性科学会が示している定義を参考として扱います。
同学会では、セックスレスを
「特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交やセクシャル・コンタクトがいずれも1か月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合」
と定義しています(※1)
(※1)日本性科学会「セックスレスの定義」(https://sexology.jp/sexless/)
<調査概要>
・調査タイトル: (予備調査)
・調査期間:2025年12月1日~12月11日
・調査対象者:20~59歳の既婚男女4,827人(10歳刻みで男女各625人を基本構成とし、男性20代のみ452人)※集計にあたっては「配偶者はいない」と回答した人を除外し、配偶者がいる人のみを母数として集計
・調査方法:インターネット(セルフ型アンケートツールFreeasyを利用)
・エリア:全国
・調査機関:レゾンデートル株式会社;https://raisondetre-inc.co.jp/
・調査報告の掲載:https://healmate.jp/survey/
・本報告の発表日:2025年12月25日
2.性行為の頻度 ― セックスレス“じゃない”夫婦はどれくらいいるのか
全体の分布を整理すると、性生活の頻度は大きく三つの状態に分かれていることが分かります。
一つは、週に1回以上、月に数回、あるいは月に1回程度といった頻度で、現在も性生活が継続している層です。この層は全体の約4割を占めています。
二つ目は、数か月に1回未満という低頻度の状態にある層で、全体の1割強にあたります。
そして三つ目が、ここ1年以上、あるいは数年以上にわたって性生活がほとんど、もしくは全くない層です。この層は全体の約5割にのぼります。
冒頭で触れた定義を踏まえると、「セックスレス“じゃない”既婚者」に該当する人は、全体のたった39%という結果になりました。
図1:配偶者との性行為の頻度(年代別)
※実際の質問:Q. あなたと配偶者は、どのくらいの頻度で性行為がありますか。(単一回答)
※数値は小数点以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります
(セックスレス”じゃない”夫婦の実態調査 (C)レゾンデートル株式会社)
セックスレス“じゃない”人に絞った分析は次回以降の本調査で行うため、ここでは以降も今回の回答者全体について詳しく分析していきます。
年代別に見ると、20代では「週1回以上」の割合が29%と比較的高い一方、年齢が上がるにつれてその頻度は徐々に低下していきます。
そして、数年以上にわたって性生活がほとんど、もしくは全くない状態にある人は、40代で48%、50代では69%に達しています。
注目すべきは、セックスレス状態に該当する夫婦が、ごく一部の少数派ではなく、年代によっては多数派になっている点です。
ただし、この結果は、セックスレス状態にあるすべての夫婦が、同じ気持ちや問題意識を抱えていることを意味するものではありません。
性生活を自然な変化として受け止めている夫婦もいれば、違和感や寂しさを覚えながらも、それを言葉にできないまま時間が経過している夫婦が含まれている可能性もあります。
こうした中で、夫婦関係を考えるうえで欠かせないもう一つの視点が、配偶者に対する愛情の感じ方です。
次で見ていきます。
3.配偶者への愛情 ― セックスレスでも愛情は保たれているのか
ここでは、回答者の配偶者に対する愛情の感じ方について分析します。
全体では、「強く感じる」が31%、「やや感じる」が31%で、
配偶者に対して愛情を感じている人は合計で62%でした。
一方で、「どちらともいえない」は21%、「あまり感じない」「全く感じない」は合計で17%となっています。
図2:配偶者に対する愛情の感じ方(年代別)
※実際の質問:Q. あなたは現在、配偶者に対して愛情を感じていますか。(単一回答)
※数値は小数点以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります
(セックスレス”じゃない”夫婦の実態調査 (C)レゾンデートル株式会社)
セックスレス状態に該当する人が多い一方で、配偶者に対して愛情を感じている人が過半数を占めている点は重要です。
この結果は、性生活の有無と愛情の有無が必ずしも同じ動きをしているわけではないことを示しています。
年代別に見ると、20代では「強く感じる」が40%と高く、愛情の実感が比較的明確な層が多い一方、40代・50代では「強く感じる」が2割台に下がり、「やや感じる」や「どちらともいえない」に回答が分散しています。
年齢とともに、愛情が失われるというよりも、その感じ方がはっきりと言語化しにくい状態へと移行している様子がうかがえます。
図3:配偶者に対する愛情の感じ方(男女別)
※実際の質問:Q. あなたは現在、配偶者に対して愛情を感じていますか。(単一回答)
※数値は小数点以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります
(セックスレス”じゃない”夫婦の実態調査 (C)レゾンデートル株式会社)
また、性別で見ると、「強く感じる」と回答した割合は男性が35%、女性が27%と差があり、一方で「全く感じない」は女性が11%と、男性(6%)を上回っています。
同じ夫婦関係の中にあっても、愛情の受け止め方や表現のされ方に、男女でズレが生じている可能性が示唆されます。
4.夫婦仲という自己評価 ― 関係は続いているが、確信は揺らいでいる
続いて、回答者全体の現在の夫婦仲に関する自己評価を見ていきます。
ここまでの項目では、性生活の頻度が低い、あるいは長期間ない状態にある人が少なくないこと、そしてその一方で、配偶者への愛情を感じている人も過半数存在していることを確認してきました。
では、夫婦関係そのものは、どのように受け止められているのでしょうか。
図4:現在の夫婦仲についての評価(年代別)
※実際の質問:Q. あなたは現在、夫婦仲をどのように感じていますか。(単一回答)
※数値は小数点以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります
(セックスレス”じゃない”夫婦の実態調査(C)レゾンデートル株式会社)
全体を見ると、「とても良い」が29%、「良い」が33%で、夫婦仲が良好だと感じている人は合計で62%にのぼります。
一方で、「どちらともいえない」は28%、「悪い」「とても悪い」は合計で10%となっています。
年代別では、20代では「とても良い」が42%と高い割合を占めていますが、
40代では24%、50代では23%に下がり、その分「どちらともいえない」と回答する人の割合が増えています。
ここで注目したいのは、性生活の頻度や愛情の感じ方に揺らぎが見られる一方で、夫婦仲については「悪い」と評価する人が少数派にとどまっている点です。
性生活が少ない、あるいはない状態に該当する人が多いにもかかわらず、関係そのものが破綻していると感じている人は、全体としては限られています。
ただし、「どちらともいえない」層が約3割存在していることも見逃せません。
夫婦仲が悪化したと感じるほどではないものの、積極的に良い状態だと実感できているわけでもない。
こうした評価は、前項で見た「どちらともいえない」に加え、「あまり感じない」「全く感じない」と回答した、配偶者への愛情が高くない層の存在とも重なって見えてきます。
これらの結果からは、性生活や愛情のあり方に変化があっても、多くの夫婦では関係そのものが続き、大きな破綻としては受け止められていないことが分かります。
一方で、その状態を「とても良い」と言い切れる人ばかりではなく、現状をどう評価するか判断に迷っている人も一定数存在しています。
5.まとめ
今回の調査では、夫婦の性生活の頻度、配偶者への愛情、夫婦仲という三つの側面から、現在の夫婦関係の実態を確認しました。
その結果、セックスレス状態に該当する人が全体として多数派である一方で、配偶者への愛情や夫婦仲については、「良好」と感じている人が過半数を占めていることが分かりました。
性生活の有無と、愛情や夫婦関係の評価は、必ずしも同じ動きをしているわけではなく、
それぞれが独立しつつ、並行して存在している様子がうかがえます。
また、「どちらともいえない」と回答した人が、愛情・夫婦仲のいずれにおいても一定数存在しており、関係が破綻しているわけではないものの、その状態をどう受け止めるべきか判断に迷っている夫婦が少なくないことも明らかになりました。
今回の予備調査で見えてきたのは、夫婦関係が「良好」か「問題あり」かという単純な二択では整理しきれず、その間にある多様な状態が、現実として広く存在しているという点です。
次回以降の本調査では、今回の結果を踏まえながら、セックスレス“じゃない”既婚者に対象を絞り、その実態についてデータをもとに検討していきます。
◎調査の目的
私どもレゾンデートル株式会社;https://raisondetre-inc.co.jp/(東京都渋谷区)は、「結婚後の新たな生き方」を提案する既婚者向けメディアやネットサービスの展開を行うシステム開発企業です。現代の夫婦関係のあり方や多様性を把握し、今後のサービス開発に向けた市場動向を探るため、今回の調査を企画しました。
◎調査内容・本リリースに関するお問い合わせ
今回の調査内容やデータの詳細に関するお問い合わせ、報道関係の皆様の取材依頼やお問い合わせは下記までお願い申し上げます。
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