半月板再生基材について臨床試験開始


グンゼ株式会社(本社:大阪市北区、社長:佐口 敏康、以下グンゼ)は、大阪医科薬科大学病院(所在地:高槻市大学町、病院長:南 敏明)にて、半月板再生基材を使用した膝半月板治療の“探索的臨床試験(治験)”を開始したことをお知らせします。


■背景


半月板は膝関節の大腿骨と脛骨の間にあるC型をした軟骨様組織で内側・外側にそれぞれあり、膝のクッションの役割を担っています。けがや加齢に伴う変性などにより半月板が損傷し、痛み等により膝の曲げ伸ばしが困難となり日常生活や運動生活に影響することがあります。国内では、半月板損傷を有する方は縫合が可能であれば縫合して治療しますが、縫合ができない場合は、傷んだ部分を切除する治療方法しか選択肢がありません。切除を行うことで痛みが軽減されますが、半月板を一旦切除してしまうとその部分は膝のクッションがない状態となり、大腿骨側の膝の軟骨がすり減ったり、骨同士がぶつかったりすることで膝機能が低下し、症状が進行した場合には人工膝関節への置換が必要になる場合もあります。
この問題を解決するため、大阪医科薬科大学医学部の大槻周平講師とともにグンゼの吸収性医療機器製造技術を活用し、自己組織置換型の半月板再生基材を開発し、膝の痛みに苦しむ患者さまに新たな治療方法を提供するプロジェクトを開始しました。再生しにくいといわれる軟骨組織であることや、二足歩行である人の膝が対象であること、感覚である痛みの解消など困難はありましたが、鋭意研究開発を進め、厚生労働省より“探索的臨床試験(治験)”を行うことに合意を得ることができました。


■半月板再生基材とは


半月板再生基材とは、グンゼの強みである「生体内吸収性材料」と「縫製・加工技術」を、ハイブリッドに構成したものです。これを手術現場で患者さまの損傷した半月板形状に合わせてカットして、自己の半月板と縫合して固定します。初期には代用半月板として膝のクッションの役目を担いながら、基材の中に患者さま自身の細胞が侵入し、自己組織として定着していきます。
また、この基材に使われている生体内で分解・吸収される材料は、既に医療機器として長期実績のある安全な合成材料から作られており、未知のウイルス等による感染などのリスクの軽減が期待できます。
動物を用いた基礎実験では約1年でほぼ元の強さの半月板様組織に修復していることが確認されています。


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半月板再生基材外観


■今後の展開


今後は、大阪医科薬科大学病院での“探索的臨床試験(治験)”を進めたのち、より多くの患者さまを対象にした検証的臨床試験を行い、2028年度の承認取得を目指します。並行して販売体制の確立に努め、上市5年後に年間売上高12億円を目指します。
グンゼ株式会社は、強みである「生体内吸収性材料」、「繊維・高分子加工技術」の特長を活かし、生体が持つ能力を活かした医療機器の研究開発を通じ、疾患に苦しむ患者さまのQOL向上に貢献してまいります。




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プレスリリース提供元:@Press
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