国際的学術誌「Scientific Reports」に論文発表


株式会社ホットアルバム炭酸泉タブレット(本社:東京都八王子市、代表取締役:小星重治、以下:ホットアルバム炭酸泉タブレット社)と、鶴見大学斎藤一郎教授らが進める研究の一環として「中性重炭酸イオン水温浴」の効果についての検討を行い、「中性重炭酸イオン水温浴」は、血管内皮への一酸化窒素(NO)産生促進により血流が促進され、体温の上昇とともに冷え・睡眠の質改善が確認され、この結果から血行不良に伴う循環器領域の様々な臨床症状改善への可能性が示されました。
本研究は、Nature Research(ネイチャー・リサーチ)社が刊行する国際的な学術誌「Scientific Reports(サイエンティフィック・リポーツ)」誌に2021年11月8日付けで掲載されました。


研究の背景


少子高齢化、医療費の高騰などの背景から、日本でも"自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てする「セルフメディケーション」"の考え方が広まってきています。
こうした中で、炭酸泉温浴はローマ時代から世界各地で天然の温浴習慣として浸透しており、現在でも療養や治療の目的で利用され、糖尿病患者の毛細血管の退縮や下肢の虚血などの血流障害や皮膚疾患に対する治療効果が数多く報告されています。特にドイツでは、自然炭酸泉に健康保険が適用され、体温上昇による健康法として広く国民に推奨されてきました。
日本でも湯治療法として全国に湯治場が点在しますが、その温浴効果のメカニズムには不明な点が多く、このことから本研究では様々な解析方法や臨床試験により「中性重炭酸イオン水温浴」の効果について検証しました。


​研究の成果


①動物や培養細胞による実験において、重炭酸イオンにより血管内皮への一酸化窒素(NO)産生が誘導され血流が促進された
②ヒトを対象とした試験では、体温の上昇により冷えや睡眠の質が改善された
③今後、血行不良に伴う循環器領域の様々な臨床症状の改善への有効性が期待される


炭酸泉温浴の効果のメカニズムとして、従来、生体内の中性pHが環境下で溶存無機炭素として存在する重炭酸イオンの関与が想定されていることから、本研究では「中性重炭酸イオン水温浴」による重炭酸イオンの経皮吸収と血管内皮細胞に与える直接的な血流促進作用について解析を行いました。
その結果、マウスの試験において対照群と比較して有意に血流を増加させ、その血液中の重炭酸イオン量や末梢血管における内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)のリン酸化を介した一酸化窒素(NO)産生量は増加傾向を認め、さらにヒト臍帯動脈内皮細胞(HUVEC)を用いた試験では、重炭酸イオンの存在下でeNOSのリン酸化の促進とNO産生の増加が検出され、加えて活性酸素種(ROS)消去活性は対照群よりも有意に高い結果を得ました。臨床実験では、冷えの自覚症状のある中年の男女を対象に実施した二重盲検ランダム化比較試験を実施し「中性重炭酸イオン水温浴」による体温の上昇効果と冷え症状や睡眠の質に改善効果が認められました。
これらのことから、重炭酸イオンは経皮的に吸収されることで血管内皮への直接作用によりeNOSをリン酸化させ一酸化窒素(NO)産生の促進により血流を促進させることが示され、血行不良に伴う循環器領域における様々な臨床症状の改善への有用性が示唆されました。
近年、低体温は免疫機能を抑制するとされており、「中性重炭酸イオン水温浴」は、健康寿命の延伸にとって重要な利点の一つであると期待されます。


重炭酸イオンによる血流促進効果のメカニズム(概念図)


a溶液中の溶存無機炭素のpHの変化:本研究で使用した重炭酸水や血液はpH7.4(破線)で、その中では溶存無機炭素は重炭酸イオン(HCO3-)が最も多く存在します。b 重炭酸イオン(HCO3-)や炭酸(H2CO3)は経皮的に吸収され、生体内では炭酸が重炭酸イオンに変化します。血管内皮細胞に取り込まれた重炭酸イオンは細胞内で内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)をリン酸化し、リン酸化eNOSにより一酸化窒素(NO)が産生され、その結果、一酸化窒素(NO)は血管内皮細胞の外側に存在する平滑筋を弛緩させ血管の拡張を促進します。


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中性重炭酸イオン入浴剤 について


「中性重炭酸イオン水温浴」として本臨床試験で使用されたホットアルバム炭酸泉タブレット社が開発・製造した「重炭酸入浴剤」は、自然素材の重曹(炭酸水素ナトリウム)とクエン酸を直接打錠成型した入浴剤ですが、このタイプの入浴剤は従来製造不可能とされていたものでした。理由は重曹、クエン酸を混合打錠すると相互の反応性が高く固体内で自然発泡してしまい密閉包材が発生ガス圧に耐えられず破裂してしまい流通不可能だったからです。この難題を解決するために、重曹、クエン酸それぞれの粉体をポリエチレングリコール6000で被覆コーティング(マイクロカプセル化)し、かつ重曹とクエン酸の錠剤内での溶解速度をコーティング膜厚でコントロール、湯水に投入時、錠剤中のpHがより酸リッチになるよう造粒し、これを加圧打錠成型して完成した商品です。この結果激しく発泡する微細な炭酸ガスを中性の湯中で効率よく中和し多量の重炭酸イオンと水素イオンを生成溶存させることに成功したもので、従来の酸性炭酸泉入浴剤(炭酸ガス)とは異なる入浴剤で、かつ重曹とクエン酸の高い自然洗浄力により石鹸、シャンプーが不要な入浴を可能とし、合成界面活性剤による洗い過ぎによる肌バリアの破壊が防げるなど新発想の家庭用入浴剤商品です。


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研究者紹介


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■鶴見大学 斎藤 一郎(サイトウ イチロウ)教授略歴
1954年東京都生まれ。東京医科歯科大学難治疾患研究所、米国スクリプス研究所博士研究員、徳島大学等を経て2002年より鶴見大学歯学部教授。2008年より4年間、鶴見大学歯学部附属病院の病院長を務め、現在も外来を担当。また、正しい医療情報を基に病気を予防し健康長寿を目指す研究活動を行い、TV番組などへの出演多数。


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■創業者 小星 重治(コボシ シゲハル)略歴
1944年神奈川県相模原市生まれ。1963年現コニカミノルタ株式会社に入社。1984年写真の常識であった水洗処理をなくし、店頭で1時間で処理できるミニラボ技術を世界で初めて開発。膨大な資源保護と公害防止への貢献から、全国発明賞、科学技術庁長官賞、紫綬褒章を受賞。2006年同社の顧問を退任後、ホットアルバムコムを設立し写真用の錠剤製造工場の建設責任者として度々出張した際に体験したドイツの自然炭酸泉と同じ泉質の自然炭酸泉を大分県長湯温泉に発見し徹底研究。自然炭酸泉は、酸性の炭酸ガスではなく中性の重炭酸イオンが主成分であることに着目し、湯中に炭酸ガスを多量の重炭酸イオンと水素イオンに中和溶解させるという難題を写真技術により解決し、「HOT TAB」の実用化に成功。2011年ホットアルバム炭酸泉タブレット、2015年に長湯ホットタブを設立し「クアパーク長湯」も経営。2021年ホットタブを設立。




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