エンドポイントセキュリティ市場、2032年に329億ドル規模へ拡大予測:高度化する脅威とクラウド化が需要を牽引

エンドポイントセキュリティ市場は、2023年に177億ドル規模となり、2032年には329億ドルへ拡大すると予測されている。2024年から2032年までの年平均成長率(CAGR)は7.1%と見込まれ、サイバー攻撃の高度化、リモートワークの長期的な定着、クラウドインフラの採用拡大が市場成長を後押ししている。

企業が利用する端末は多様化し、PC、ノートPC、スマートフォン、サーバーまで幅広いデバイスが攻撃対象となる中、従来型の防御だけでは対処が困難になっている。この状況を受け、脅威の予防と応答を統合したエンドポイントセキュリティの重要性が高まっている。

クラウド型プラットフォームの普及も市場拡大を加速させている。リアルタイム監視、迅速なアップデート、分散環境における一元管理が可能なクラウド型ソリューションは、多拠点展開の企業にとって欠かせない存在となった。

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2024年6月には、Acronisがマネージドサービスプロバイダー(MSP)向けに新たなXDRソリューションを発表し、包括的な脅威検知と自動応答を可能にする環境を提供した。中小企業を支援するMSPの活用が進む中、Acronisの発表は市場全体における統合型セキュリティ強化の潮流を示している。

またMedCity Newsによる2024年6月の報告では、医療分野を中心に予防型セキュリティへの投資が拡大していることが強調されている。AIによる脅威検知、暗号化、多要素認証など、侵害を発生前に防ぐ取り組みが重要視されている。

さらにAcronisは、エンドポイント保護だけでなく、ネットワーク、クラウドワークロード、インシデント対応を包括する統合型XDRを拡充した。多層防御への移行が進む中、企業は単一製品ではなく、統合されたプラットフォームを求めるようになっている。

市場ダイナミクス

市場成長を促す要因

リモートワークの普及による高度なエンドポイント保護の需要増加

リモートワークが世界的に定着し、企業ネットワーク外からのアクセスが拡大したことで、サイバー攻撃リスクが増大している。多様な環境・デバイスで業務が行われるため、企業はリアルタイム監視や迅速な応答を備えたエンドポイントセキュリティを必須としている。
クラウドベースのアプリ利用が増えていることも、遠隔環境向けの強固な保護を求める動きを加速させている。

高度化する脅威とEDR採用の拡大

ランサムウェア、ゼロデイ攻撃、APT攻撃の増加に伴い、EDR(Endpoint Detection and Response)への需要が顕著に拡大している。AIと機械学習を統合したEDRは異常行動の早期検知や自動対応を可能にし、企業のセキュリティ戦略の中心となりつつある。

市場の抑制要因

高度なソリューション導入コストが中小企業の採用を阻害

中小企業は高価なエンドポイントセキュリティ製品の導入が難しく、基本的な防御にとどまるケースも多い。専門スタッフの確保も課題で、これが市場全体の成長ペースを一部抑制する要因になっている。

市場機会

AI・MLを活用した次世代セキュリティへの期待

AIと機械学習により、脅威分析の自動化や未検知攻撃の予測が進み、新たな市場機会が生まれている。予測型防御を提供できる企業は競争優位性を高めることができる。

市場の課題

セキュリティ強化とプライバシー保護の両立

エンドポイント監視には個人情報へのアクセスが伴うケースがあり、ユーザープライバシーとのバランスが課題となる。厳格な規制への遵守も求められ、市場競争の一つの焦点となっている。

セグメンテーション分析

コンポーネント別
ソフトウェアが市場の約60%を占め、EDRやEPPなど高度化する脅威に対応できる製品への需要が継続的に拡大している。AcronisのXDR発表など、統合型製品の拡大が市場を牽引している。

デプロイメント別
クラウド型が約65%と市場をリード。リモートワーク環境への適応力、柔軟なスケーラビリティ、迅速なアップデートが評価されている。

ソリューションタイプ別
EDRが約55%で優勢。高度攻撃への対応力が評価され、AI統合型EDRへの投資が増加している。

エンドユーザー別
商業分野が約70%を占め、BFSI、IT、医療を中心に投資が加速。医療分野では機密データ保護の観点から予防型セキュリティが重視されている。

エンドユース産業別
IT・通信が約30%を占め、市場を主導。多様なデバイスと広範なネットワーク環境が高度な防御を必要としている。

地域別分析

北米

2023年の市場の約40%を占有し、最も大きなシェアを持つ。強固なサイバーセキュリティ基盤、先進技術への早期投資、BFSI・医療・IT企業の積極的な導入が成長を支えている。Acronisをはじめとする主要企業の存在感も強い。

アジア太平洋

2023年に最も速い成長を記録し、CAGRは約12%と予測される。中国、インド、日本でのデジタル化加速とリモートワークの拡大が需要を押し上げている。AIを活用した次世代型セキュリティの導入も進み、今後の市場拡大が期待される。

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競争環境(主要企業)

AO Kaspersky Lab

BlackBerry Limited

Broadcom(Symantec)

Check Point Software Technologies

Cisco Systems

Comodo Security Solutions

CrowdStrike

CurrentWare

Cybereason

Druva

Fidelis Cybersecurity

FireEye

Forcepoint

McAfee

Microsoft

Palo Alto Networks

SentinelOne

Sophos

Trend Micro

関連レポート:

エンドポイント保護プラットフォーム市場: " https://www.snsinsider.com/reports/endpoint-protection-platform-market-7976 "

エンドポイント検知・対応市場: " https://www.snsinsider.com/reports/endpoint-detection-and-response-market-3088 "



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