葉酸の働きとは?妊娠・妊活中の方に大切な栄養素

インナービューティー栄養素辞典

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カラダの内側から美しくなるために必要な栄養素を毎月厳選して解説する、コラム「インナービューティー栄養素辞典」。第13回は「葉酸(ようさん)」。妊娠・妊活中の方にとって欠かせない栄養素です。

 

葉酸とは?

葉酸の働きとは?妊娠・妊活中の方に大切な栄養素現在妊娠中、妊活中の方にとって、健康管理はとても大切ですよね。
食事にも気を使っている方が多いかと思いますが、特に欠かせない栄養素として有名なのが「葉酸(ようさん)」。葉酸はビタミンB群のひとつで、ほうれん草から発見されたことが名前の由来です。
葉酸は胎児の成長に重要な役割を持つため、妊娠中は普段よりも多く摂取することが必要とされています。葉酸にはどんな働きがあるのか、詳しくご紹介していきます。

 

葉酸の働き

葉酸の働きとは?妊娠・妊活中の方に大切な栄養素葉酸の代表的な働きをご紹介します。

赤血球の形成を助ける

葉酸は「造血のビタミン」とも言われ、ビタミンB12とともに赤血球の形成を助けます。葉酸が不足すると、血液中に未熟で大きい赤血球ができてしまう「巨赤芽球性貧血」という悪性の貧血を起こす恐れがあります。
極端な偏食や過度な飲酒、服用中の薬の影響等が原因として挙げられています。

細胞の生産を助ける

葉酸には細胞を生産するときに必要な「核酸」を合成する働きがあります。細胞分裂に重要な役割をもつため、胎児や新生児の発育に大きく関わります。
妊娠初期は胎児の脳や脊髄に発達する「神経管」がつくられる時期ですが、このときに葉酸が不足すると神経管がうまく形成されず、無脳症や二分脊椎症などの先天性の疾患、また流産や死産に繋がる「神経管閉鎖障害」という疾病にかかるリスクが高まると言われています。
神経管閉鎖障害は葉酸の十分な摂取で発生リスクを70〜80%ほど低減させることができると言われており、特に妊娠4週前後までの期間が重要なため、妊活中から葉酸を十分に摂取する必要があります。
 

1日あたりの必要摂取量は?

葉酸の働きとは?妊娠・妊活中の方に大切な栄養素18歳以上の男女では一日あたり240㎍が推奨量とされ、通常の食生活であれば十分摂取できる量と言われています。
しかし妊活中~妊娠初期は+400㎍(計640㎍)、妊娠中は+240㎍(計480㎍)、授乳期は+100㎍(計340㎍)とかなりの量が必要とされ、食事だけでは推奨量を満たせないことが多いため、厚生労働省では妊活中~妊娠初期は通常の食事に加えて栄養補助食品からも摂取することを推奨しています。
上限値は1,000μgとされていますので、サプリメントを使用する場合は用量・用法を守るようにしましょう。

 

多く含まれる食材

葉酸の働きとは?妊娠・妊活中の方に大切な栄養素ほうれん草、アスパラガス、ブロッコリーなど葉物の野菜や、枝豆、納豆などの豆類、マンゴー、イチゴなどの果物類に多く含まれています。
鶏や牛のレバーも葉酸が豊富ですが、同時にビタミンAが非常に多く含まれています。ビタミンAは妊婦が過剰摂取すると胎児の奇形発生リスクが高まるため、日常的な摂取には注意が必要です。