インナービューティーを目指して、カラダの内側から美しくなろう!
カラダの内側から美しくなるために必要な栄養素を毎月厳選して解説する、コラム「インナービューティー栄養素辞典」。第5回は「鉄」。女性は特に不足しがちな、基礎代謝に欠かせない栄養素です。
鉄とは?
最近なんだか疲れやすいし身体がだるい…。そんな症状は、もしかしたら鉄分不足が原因かもしれません。
鉄分は汗によって排出されてしまうため、夏は鉄分不足になりがちで、貧血の症状を起こしやすいのです。
特に女性は生理や妊娠、出産、授乳等で鉄分を多く必要とするため、注意が必要です。
鉄分が足りないと、基礎代謝が落ちたり、コラーゲン生成が妨げられたりと、美容面でも大きく影響してくる恐れがあります。
食事量を抑えているのに、むしろ太りやすい身体になってしまう可能性も!?
鉄の働き
血液中の「ヘモグロビン」をつくり、全身に酸素を運ぶ
体内の鉄分の6~7割は、血液中の「ヘモグロビン」の成分になっています。血液が赤く見えるのはこのヘモグロビンによるものです。
ヘモグロビンは呼吸で取り入れた酸素と結びつき、全身に運ぶ役割を持っています。そのため、貧血になると身体が十分な酸素を送ることができず、動悸や息切れ、頭痛などの症状の原因となってしまうのです。
また、基礎代謝が低下して体脂肪が減りにくくなったり、肌の赤みが減って顔色が悪く見えることがあります。
筋肉中の「ミオグロビン」をつくり、筋肉を動かす
ミオグロビンは筋肉にある赤いタンパク質。肉の赤みはこのミオグロビンが由来となっています。
代謝に必要なときまで酸素を貯蔵しておく役割があります。
ミオグロビンが減ると、筋力が低下したり疲労感や倦怠感を感じるようになります。
さまざまな酵素の元になる
代謝に必要な色んな酵素の元になります。エネルギー産生にかかわってくるので、不足すると疲れやすくなったり冷え性になったりすることがあります。
また、コラーゲンは合成される際に鉄を必要としますので、鉄が不足してしまうとコラーゲンが作られにくくなってしまうと言われています。肌の正常なターンオーバーのためには、鉄が欠かせません。
1日あたりの推奨摂取量は?
鉄の1日あたりの推奨摂取量は、15歳以上の女性(月経あり)で10.5mgとなっています。
男性は15~17歳が9.5mg、18~29歳で7.0mg、30~69歳で7.5mgと女性より少なめです。
意識的に摂らないと不足しがちな栄養素ですので注意しましょう。
通常の食事で摂りすぎになることはほとんどありませんが、鉄剤やサプリメントの大量摂取などによって鉄過剰症になることがあります。肝硬変などの臓器障害を引き起こす原因になりますので、使用する場合はきちんと管理しましょう。
多く含まれる食材
食品に含まれる鉄には、肉や魚に多く含まれるヘム鉄と、野菜や穀類に多く含まれる非ヘム鉄の2種類があります。ヘム鉄の方が非ヘム鉄より吸収率がよく、胃腸に優しいと言われています。貧血の予防には肉や魚がおすすめです。
ヘム鉄が多く含まれる食材は、豚レバー、鶏レバー、牛モモ肉、牛ヒレ肉、しじみ、あさり、カツオなど。
非ヘム鉄が多く含まれる食材は、ひじき、ほうれん草、小松菜、パセリ、納豆、卵などです。
また、鉄が体内で利用されるためにはビタミンCが必要です。柑橘類などビタミンCの多い食材を一緒に摂るといいでしょう。