インナービューティーを目指して、カラダの内側から美しくなろう!
カラダの内側から美しくなるために必要な栄養素を毎月厳選して解説する、コラム「インナービューティー栄養素辞典」。第4回は「ビタミンB1」。夏バテで疲れた身体を助けてくれる大事な栄養素です。
ビタミンB1とは?
夏になると暑さで食欲が無く、そうめんなどのさっぱりした食事やアイスクリームなどの冷たいものばかりで済ませてしまい、疲れがなかなかとれない…。いわゆる「夏バテ」になってしまう方も多いかと思います。
これらの食品には糖質が多く含まれていますが、この糖質がエネルギーに変わるのを助ける役割をもつのが「ビタミンB1」。ビタミンB1は上記のような食事だけでは十分に摂取することができず、さらに汗によって失われやすいため、夏場に不足しがちな栄養素です。
ビタミンB1が不足すると、食事を摂ってもエネルギーにうまく変えることができず、疲れやすい状態になってしまう上に、中性脂肪として身体に残ってしまいます。夏バテだけではなく、夏太りの原因にもなってしまうのです。
食欲がないときは、少量でも効率よく栄養が摂取できるようにバランスのいい食事を摂ることが大事です。
ビタミンB1の働き
ビタミンB1には下記のような代表的な働きがあります。
糖質をエネルギーに変える働きをサポートする
体内で糖質を分解してエネルギーに変える酵素の働きをサポートする役割を持ちます。ビタミンB1が足らないと、糖質の元となるご飯などの炭水化物を食べてもうまくエネルギーに変換することができません。
昔の日本では、「脚気」というビタミンB1不足による病気が国民病と言われるほど多くみられましたが、これは白米を多く食べる反面、副食をほとんど摂らなかったためと言われています。
変換されなかった糖質の一部は乳酸として体内に溜まり、疲労感の元になってしまいます。
ビタミンB1は元気な身体をつくるために欠かせない栄養素なんです。
脳や神経の働きを正常に保つ
ビタミンB1には脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能を整える働きがあります。そのため欠乏した状態がひどくなると、運動失調や記憶障害が起こる恐れがあります。これらの症状はアルコール依存症でよく見られますが、これはアルコールを過度に飲みすぎるとビタミンB1不足に陥る要因が重なりやすくなることと関係があると言われています。(食事をあまり摂らないことによる摂取不足、アルコール代謝のための消費量の増加など)
重症になると慢性化する場合もありますので、お酒をよく飲む方は十分に注意しましょう。
1日あたりの推奨摂取量は?
ビタミンB1の1日あたりの推奨摂取量は、18~49歳で女性1.1mg/男性1.4mg、50~69歳で女性1.0mg/男性1.3mg、70歳以上で女性0.9mg/男性1.2mgとなっています。
通常の食事で摂りすぎになることはほとんどなく、余分にとっても尿として排出されるため過剰症の心配はほぼありません。ただしサプリメントなどの過剰摂取により頭痛や痒みが起きたという報告もありますので注意しましょう。
多く含まれる食材
ビタミンB1は肉類や魚類、豆類などに多く含まれています。特に豚肉、うなぎ、タラコ、玄米などが代表的です。ビタミンB1は水溶性で茹でると水に流れ出やすいため、炒めたりスープにして摂るのがオススメです。
また、にんにくや玉ねぎなどに多く含まれるアリシンを一緒に摂ると吸収がよくなると言われています。