VOL3.国際女優・桃井かおりはビューティーの指針なるか

「誰かが若さと美貌で行くより、あたしが腕力でいくほうがいいでしょ、どう考えたって」(*)

さて発言者は誰でしょうか。 腕力と申しましても、女子プロレスラーでも「ヨイトマケの唄」でもございません。
しらけ不思議ちゃんキャラ(アンニュイともいう)でデビュー、一時生彩を欠いていた印象はあるものの、SK-IIのCMで年齢不詳タマゴ肌を露出し、『SAYURI』でハリウッドデビュー、完全復活を遂げた桃井かおりです。
老いて益々盛んッてな言葉がございますが、桃井さまを初め、元祖セクシー系絹の靴下はくのは冷え症かな、本音を言えば湯婆婆・夏木マリさま、これまた老舗小悪魔コケテッシュ系をキープしつづける加賀まりこさまなど、更年期を乗り越えて、人生の酸っぱい甘いを知る熟女の元気なことといったら、目を見張るばかりでございましょう。

桃井といえばSK-II。
フリークならずとも一度は憧れ、ごっつう分厚い価格の壁に身の程を知るという経済バロメーターコスメ。
いちおし化粧水フェイシャルトリートメントエッセンスは75ml、¥7,875。美容液かと思えるお値段。スペシャルケアなどフルラインすべて揃えると20万越えは確実です。
現在ではワンアイテム2万円前後といっても驚きゃしませんが、デビューは25年前、安かろう悪かろうでは信用できない・コスメ価格高騰に勢いをつけたのは間違いないようです。
かくゆうわたくしも傍若無人ならぬ茫然自失、打ちのめされ断念した派。

国際女優・桃井かおりはビューティーの指針なるか
『SAYURI』は男を手玉に取るアーティスト(と呼ぶべき自己表現力とチラ見せ誘惑テクを兼ね備えた)芸者ガールによる、美とプライドを賭けた、どこかしら悲しくもある運命の物語でございます。
ピープル誌で”世界で最も美しい50人”に選ばれたチャン・ツィイーがさゆりを演じ、『羊たちの沈黙』の続編出演決定でハリウッドづくコン・リーが性悪姉御・初桃を好演。
北京ダックかツバメの巣かという、中華美女に囲まれた桃井は、監督のロブ・マーシャルに「女優同士の美の闘いに、かおりは加わらなくていいからね」と釘を刺されたもよう。置屋の遣り手婆なのに若すぎて、老けるのに苦労したとか。
いやしかし、どこから見ても桃井かおり。どんな配役だろうとシワを書こうがヅラをつけとろうが桃井かおり……『SAYURI』を鑑賞しながら、なぜか”腐っても鯛”ちゅう言葉が頭を離れませんでした。

「わたしはそばが食べたいと思うと疲れていても行列にもめげないで食べますからね。欲望が強ければ体力が付くし、体力が付けば別の欲望が生まれる。その繰り返しね」(**)

とは仕事の優先順位を聞かれた桃井発言ですが、彼女のあくなき美の追究にも通じる部分があると思えてなりません。人一倍欲望も体力も強いわたくし、今回ばかりは参りました。平身低頭、鯛になれずとも鰯の頭でもよろし、と気持ちを新たにしたのでした。

編集部注)
(*)『Grazia』(2005年5月号)
(**)日本経済新聞(2005年8月1日刊)

桃井かおりウエブ『香楽士』
桃井かおりの最新情報、バイオグラフィーなど。

SK-IIウエブ
商品カタログ、
会員になれば、スキンケアカウンセリング、ファンデーションカウンセリングがウエブ上で受けられる。SK-IIアイテム(現品)などのプレゼントもあり。

25th ANNIVERSARY SK-II
桃井かおりの言葉に会う~トークライブレポートが読めます。
彼女のお薦めは、フェイシャルトリートメントエッセンスとフェイシャルマスク。

『SAYURI』公式ウエブ
キャスト紹介、ストーリー、『SAYURI』デスクトップ
ピクチャーダウンロードなど。
予告編では女の壮絶な戦いがかいま見られます。

【イラストレーション おじゃらりか】
あとりえおじゃら所属、日本イラストレーター協会理事。
北千住のあとりえで毎日オリジナルアートを製作する傍ら、雑誌表紙、挿絵などのイラスト、てぬぐいデザインでも活躍。
「伸びやかな線と色の美しさを心がけています。気軽に飾れて、見るたびに、ほっとできるような作品を作るのが夢です」
おじゃらりかのホームページ『あとりえおじゃら