仕事ができない部下への対処方法 部下をやる気にさせて動かす「できる上司」の条件とは


何度も同じことを言っても忘れる部下、わからないのにわかっている風の返事をする部下、指示を出されたことしかやらない部下……そんな部下に悩みを抱えるビジネスマンは多い。
ただ、部下に苦手意識をもったまま仕事をしていると、ミスが起きたときに問題の本質がわからなくなる。「またやった」、「あいつのせいだ」など、ミスの原因が部下にあると無意識のうちに思い込み、上司としての責任から、つい逃げてはいないだろうか。
苦手な部下に我慢して合わせる必要はないが、どこかで折り合いをつけて接していくべきで、相手の嫌いなところに目を向けるより、考え方や対応の仕方を工夫することで気持ちが楽になるだろう。
ーー3人のゲストを招き、苦手な部下とうまく付き合う方法について考えていく。
●公開日時:2019年10月11日(金) 午前10時30分



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▼ 記事概要・ゲスト紹介


部下の失敗=信頼関係が生まれるチャンス


 尊敬する上司とは、「いざというとき部下を守る」上司だ。保身的な上司は、部下に「困った上司」認定されてしまう。新聞社へ入社したあとの数年間、様々な失敗を重ねて成長したと語る町田久次氏(福島民友新聞社元取締役)に、部下の失敗との向き合い方について伺う。
ゲスト一人目
町田久次(まちだ・きゅうじ)。福島民友新聞社元取締役。
『新聞疎開: 昭和20年、ある地方紙の物語』の著者。
・略歴
1948(昭和23)年 福島県会津美里町生まれ、新潟大学人文学部卒業。
1971(昭和46)年 福島民友新聞社入社。
2011(平成23)年 編集・報道記者、広告局次長、経理局長、取締役などを経て定年退職。現在、会津文芸クラブ事務局長、公益財団法人会津弔霊義会評議員など。
・筆歴
2013(平成25)年度福島県文学賞ノンフィクション部門正賞、2012(平成24年)度同小説部門準賞など。
作品に『吾等は善き日本人たらん』(歴史春秋社刊)、佐藤紅緑『小説毒盃』復刻版(論創社刊)、菅家喜六『世界一周記』(柘植書房新社刊)、『ふくしま新聞史読本』(歴史春秋社刊)など。


信頼される上司は感情のコントロールができる


 上司がミスをした部下の話を聞くとき、どんな対応をとるかが信頼関係に大きく影響すると戸田等氏(弁護士)は言う。世間を騒がせた数々の裁判を経験してきた戸田氏が特に重要だと語るのは「怒り」のコントロールだ。
ゲスト二人目
戸田等(とだ・ひとし)。弁護士。
『広島法廷 長崎法廷: 原爆投下による罪と罰』の著者。
・略歴
1932(昭和07)年 4月29日生れ
1969(昭和44)年 4月7日弁護士登録 番号11384
海事補佐人兼務、海難審判・海洋船舶事件、建築関係事件を扱う。
世界蒙古斑協会日本支部代表。
・筆歴
2015(平成27)年『ジョークで知るモンゴル』(新潮社)補訳出版
2016(平成28)年『弁護士物語』(新潮社)出版
2017(平成29)年『弁護士物語 第二巻』(新潮社)出版




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役割の明確化が部下を自律させる


 上司が苦労することのひとつに、部下を「自律」させることがあげられる。能動的な働きができることが社会人の第一歩だが、上司が工夫して部下にアドバイスを伝えたとしても、もし部下が人任せな「他律」の精神の持ち主であれば伝わらない。日本を代表する自動車メーカー、マツダ(株)にて人材育成に貢献してきた室江洋氏に話を伺う。
室江洋(むろえ・ひろし)。マツダ(株)元社員。
『仕事の基本がわかる本: 生産性が<劇的に>上がる仕事術』の著者。
・略歴
1943(昭和18)年 広島県生まれ
1962(昭和37)年 福岡県立小倉工業高校を卒業、東洋工業聡(現マツダ(株))に入社。自動車開発の現場に身を置き、主に振動騒音の実験研究部門で車や部品、計測器、現象を相手にテストコースや実験室で前半を過ごす。また市場にも多く出掛け、 この間市場を再現するテストコースの設計なども行う。
後半では他の分野も担当し、 シャシー実研部長、 車両実研統括部長などを歴任する。役職を離れてからは、 自らの経験や考え方による人材育成、開発のやり方革新などを提案し進めた。
2007(平成19)年 マツダ(株)退社。


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