むくみや高血圧予防に!カリウムで身体から余計な塩分の排出を促す

インナービューティー栄養素辞典

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カラダの内側から美しくなるために必要な栄養素を毎月厳選して解説する、コラム「インナービューティー栄養素辞典」。第15回は「カリウム」。生活習慣病予防に役立つ栄養素です。

 

カリウムとは?

むくみや高血圧予防に!カリウムで身体から余計な塩分の排出を促す飲み会の翌日、朝起きると顔がパンパンになっていて焦ったことはありませんか?
お酒による「むくみ」には主に2つの原因があると言われており、一つはアルコールが血管を拡張させることよって血管外に水分が漏れ出てしまうこと。もう一つは塩辛いおつまみをたくさん食べることによって、体内の塩分濃度を下げようと水分を溜め込む働きが起きてしまうことです。
この事からむくみに効果的と言われている栄養素が「カリウム」。体内のカリウムは大半が細胞内液に存在していて、細胞外液に存在するナトリウム(塩に含まれる成分)とお互いにバランスを取り合って水分や血圧を調整しています。カリウムはナトリウムの排出を促す働きをもつため、塩分を摂りすぎたときに役立つと言われています。
女性はホルモンバランスや筋肉量が少ない体質の影響で男性に比べてむくみやすいと言われていますので、より意識することが必要な栄養素です。

 

カリウムの働き

むくみや高血圧予防に!カリウムで身体から余計な塩分の排出を促すカリウムの代表的な働きをご紹介します。

ナトリウムを排出して血圧を下げる働き

腎臓でのナトリウムの吸収を抑えて、尿中への排泄を促す働きを行います。
この働きによって血圧が下がり、高血圧症や脳卒中のリスクを減らすことができるといわれています。
また、ナトリウムが排出されることによって余計な水分が体内に溜め込まれるのを防ぐことができるため、むくみの改善にも効果が期待できます。

筋肉を正常に保つ働き

カリウムは神経伝達に重要な役割をもつ栄養素です。筋肉細胞が神経伝達物質(アセチルコリン)を受け取ると、カリウムはナトリウムとともに筋肉を収縮させるための働きを行います。
この働きにより、筋肉は正常に機能することができます。

 

1日あたりの必要摂取量は?

むくみや高血圧予防に!カリウムで身体から余計な塩分の排出を促す「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日当たりのを目安量を18歳以上の男性で2,500mg、女性で2,000mgとしています。
また、高血圧などの生活習慣病を予防するための目標量を、18歳以上の男性で3,000mg以上、成人女性で2,600mg以上と定めています。
日本人の平均カリウム摂取量は目安量に近く、目標量にはまだ届いていないのが現状です。日本の伝統的な食事は食塩が多く含まれていることが多いため、塩分の摂りすぎに注意することと合わせて、カリウムをバランスよく摂取することが大切です。
健康な方であれば通常の食事で摂りすぎになることはほとんどありませんが、腎機能に障害がある方は摂取に制限がある場合がありますので、医師とよく相談しましょう。

 

多く含まれる食材

むくみや高血圧予防に!カリウムで身体から余計な塩分の排出を促すバナナ、アボカド、メロンなどの果物類、ほうれん草、かぼちゃ、たけのこなどの野菜類、里芋、サツマイモ、じゃがいもなどの芋類、そのほか豆類や海藻類にも多く含まれています。
カリウムは水溶性のため茹でたり煮たりすると水に溶けだしてしまいます。そのため、野菜やフルーツを生で摂ったり、スープとして煮汁ごと食べることがおすすめです。