マグネシウムで生活習慣病を防ごう 美しく強いからだを作る働きと役割

インナービューティー栄養素辞典

インナービューティーを目指して、カラダの内側から美しくなろう!

カラダの内側から美しくなるために必要な栄養素を毎月厳選して解説する、コラム「インナービューティー栄養素辞典」。第16回は「マグネシウム」。健康な身体づくりに欠かせない栄養素です。

 

マグネシウムとは?

マグネシウム伝統的な和食を食べる機会が減っている現代。この食生活の変化によって、摂取量が減ったといわれている栄養素があることはご存知ですか?
その一つが「マグネシウム」。玄米や海藻などに多く含まれている栄養素ですが、食生活が欧米化するに従ってこれらの摂取が減り、マグネシウム不足になっているといわれています。
マグネシウムは健康な身体をつくるのに大切な役割をもっており、不足すると生活習慣病などを原因になることも。
自粛生活でこれまでと食生活が変化した方も多い今、一度普段の栄養バランスを見直してみましょう。

 

マグネシウムの働き

マグネシウムマグネシウムの代表的な働きをご紹介します。

骨や歯をつくる

カルシウムやビタミンDとともに、骨や歯をつくる役割をもちます。
体内のマグネシウムのうち約70%ほどが骨に存在しており、不足すると骨粗鬆症に繋がる恐れがあります。

酵素を活性化して代謝を支える

300種類以上の酵素を活性化して、三大栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)の代謝を支えています。
マグネシウムが不足すると代謝を促進する作用が弱くなり、糖尿病や高血圧といった生活習慣病に繋がる恐れがあるといわれています。

筋肉の動きを調整する

カルシウムの作用によって収縮した筋肉を弛緩させることで、動きを調整する働きがあります。
就寝中や運動後に足が攣ることがありますが、この原因のひとつとして考えられているのが、発汗によって体内のマグネシウムが失われたことによる筋肉の過剰収縮です。
頻繁に起こるようであれば、栄養バランスや水分補給に注意するようにしてみましょう。

 

1日あたりの推奨摂取量は?

マグネシウム女性は18~29歳で270mg、30~64歳で290mg、65~74歳で280mg、75歳以上で260mgです。妊婦の場合はさらに+40mgが推奨されています。
男性は18~29歳で340mg、30~64歳で370mg、65~74歳で350mg、75歳以上で320mgです。
一方、厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査」によると、日本人の平均摂取量は女性が20~29歳で192mg、男性が20~29歳で227mgと推奨量に届いていない状態です。普段から意識的にマグネシウムを摂っていく必要があります。
通常の食事で摂りすぎになる心配はほとんどありませんが、サプリメントの大量摂取などによって過剰になると下痢を起こす可能性がありますので注意しましょう。

 

多く含まれる食材

マグネシウムマグネシウムは海藻類(ワカメ、昆布、ひじきなど)、豆類(納豆、豆腐、油揚げなど)、種実類(アーモンド、カシューナッツなど)、魚介類(アサリ、しらす干し、キンメダイなど)などに多く含まれています。
カルシウムとお互いに影響しあう関係で、カルシウム:マグネシウムのバランスが1~2:1になるのが理想といわれています。カルシウムばかり摂りすぎてしまうとマグネシウムの吸収が妨げられてしまうため注意しましょう。