お酒好きの方に不足しがち!?ナイアシンの働きと効果とは

インナービューティー栄養素辞典

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カラダの内側から美しくなるために必要な栄養素を毎月厳選して解説する、コラム「インナービューティー栄養素辞典」。第18回は「ナイアシン」。体内の様々な代謝を助ける栄養素です。

 

ナイアシンとは?

お酒好きの方に不足しがち!?ナイアシンの働きと効果とはパーティーや飲み会でついお酒を飲みすぎてしまい、悪酔いや二日酔いに苦しんだ経験のある方は多いのではないでしょうか。
この時、体内で必要となるのが「ナイアシン」。ナイアシンは二日酔いの原因となる「アセトアルデヒド」を分解する酵素の補酵素として働くほか、糖質や脂質を燃やしてエネルギーを作ったり、皮膚や粘膜を健康に保つなどの役割を持っています。
ナイアシンは飲酒によって消費されてしまうため、飲みすぎたりナイアシンが不足している状態だと、二日酔いなどの症状に繋がってしまう恐れがあります。お酒の量を適度にすることはもちろん、普段から十分な量のナイアシンを摂取しておくことが大切です。

 

ナイアシンの働き

お酒好きの方に不足しがち!?ナイアシンの働きと効果とはナイアシンはニコチン酸とニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)の総称で、以前はビタミンB3とも呼ばれていました。ニコチンを酸化して得られる酸として発見されたためニコチン酸と名付けられていますが、タバコなどに含まれるニコチンとはまったく異なる物質です。
体内に入るとニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NAD)とニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドリン酸(NADP)と呼ばれる物質に変化して、様々な役割を持つ補酵素として活躍します。
以下はその代表的な働きです。

エネルギーを作る

糖質、脂質、たんぱく質からエネルギーを作り出す際に働く酵素を補助する役割を持ちます。

皮膚や粘膜を健康に保つ

DNAの修復や合成、細胞の分化に関わり、皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。

アルコールを分解する

摂取されたアルコールは肝臓でアセトアルデヒドに分解され、そこからさらに酢酸に分解・解毒されます。ナイアシンはこれらの分解を行う酵素の補酵素として働きます。
お酒を大量に飲むことによってナイアシンが消費され、不足した状態になると、体内にアセトアルデヒドが残ってしまうため、二日酔いや悪酔いの原因となります。

脳神経系の働きを正常に保つ

セロトニンやドーパミンなどの脳内神経伝達物質の合成に関わり、脳神経の働きを正常に保ちます。

血行を促進する

血管を拡張して、血流を促す働きがあります。

 

1日あたりの推奨摂取量は?

お酒好きの方に不足しがち!?ナイアシンの働きと効果とは厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、一日当たりの推奨摂取量は下記のように示されています。

  • 男性(18~49歳):15mg
  • 男性(50~64歳):14mg
  • 女性(18~29歳):11mg
  • 女性(30~49歳):12mg
  • 女性(50~64歳):11mg

ナイアシンが不足すると、皮膚炎や下痢、認知症などの症状を起こす「ペラグラ」という病気になることが知られています。
ペラグラはナイアシンの含有量が少ないトウモロコシを主食とする地域で起こりやすい病気で、日本ではあまり見られませんが、アルコール依存症の方がかかることがあります。
また、通常の食生活では過剰摂取になることはほとんどありませんが、薬やサプリメントの飲みすぎによって「ナイアシンフラッシュ」と呼ばれる、一時的に皮膚が赤くなったりかゆくなる症状が起きることがありますので注意しましょう。

 

多く含まれる食材

お酒好きの方に不足しがち!?ナイアシンの働きと効果とはナイアシンは多くの食材に含まれていますが、特に魚や肉に多く含まれています。たらこ、マグロ、カツオ、レバー、鶏ささみ、鶏むね肉、ピーナッツなどが代表的な食材です。
水に溶け出しやすい水溶性ビタミンのため、茹でて調理するときはスープや鍋にして煮汁ごと食べる方法がおすすめです。一方、熱には強く加熱調理でも失われにくい性質を持っています。